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リフォームで検索していたら、リノベーションという言葉が出てきたり、最近雑誌やテレビでリノベーションという言葉を見かけるようになりました。
リフォームという言葉を単純におしゃれに変えただけ?と思われたり、おしゃれな内装にすることをリノベーションと呼ぶと思われたりと、それぞれの意味を誤解されがちです。
では一体何が違ってくるのでしょう。
リフォームとリノベーションという言葉の定義を正しく認識して、自分たちが目指す住まいはどの方向性なのか?を住まい作りに関わる人達と共通認識を持って進めていくために重要なワードになってくるので、ぜひこの際に、違いについて正しく認識しましょう!
リフォームとは?
リフォームを直訳すると、「作り直すこと」。
長年住み続けて古くなってしまった箇所を、新築時の状態に近づけるような施工をリフォームと呼んでいます。
住み続けてマイナスになってしまった部分をゼロの状態に戻すようなイメージでしょうか。
キッチンを例にしてみましょう。
長年使って古くなってしまった換気扇やコンロ、壁のキッチンパネルや床などを、新しいものに取り換えてあげるような施工がリフォームに当たります。
ちなみに、昔は洋服の仕立て屋さんが使う言葉だったので、「破れたズボンを、仕立て屋さんでリフォームする」というようないい方をしていたそうです。
リノベーションとは?
リノベーションを直訳すると、「手を加えてよくすること」。
元ある住まいの間取りや使い勝手を変更することで、住宅に新たな機能をもたらすことをリノベーションと呼んでいます。
リフォームがマイナスをゼロの状態にする作業と例えるなら、リノベーションは足していくようなイメージでしょうか。
キッチンを例にしてみましょう。
リノベーション前は、キッチンが部屋として隔離されていて、狭苦しく、家族とコミュニケーションがとりづらい導線となっていたとします。
リノベーション後は、開放感があふれるキッチンで、家族と雑談しながら、テレビを見ながら料理を楽しむことができます。
このように、リノベーションは間取りなどを変更することで、その時々のライフスタイルに合わせた住まいづくりをすることができます。
また、リノベーションにおいて、古いものを新しくするということは第一目的ではないので、新しい物件でも内装が自分たちに合っていなければ、リノベーションすることもあります。
リフォームとリノベーションの違い
リフォームとリノベーション、それぞれの言葉の意味や簡単な定義はご説明の通りですが、細かく比べていくと、まだまだ違いが見えてきます!
工事規模
リフォームの場合
「キッチン設備とその周辺を新しく取り換えるだけ」など住宅の一部となることが多いです。
ただ、全面的にリフォームするということも事例としてあります。
工事内容によっては、数日お風呂が使えなくなったり、
一時的に仮住まい生活を送る可能性もあります。
リノベーションの場合
「壁を向いて料理をしていたところを、壁を壊してアイランドキッチンに変更してカウンターを設置する」など住宅の一部をリノベーションする場合でも、設備の位置を変更したり、壁を壊したりすることで、リフォームと比較すると少々大がかりな工事になってきます。
また、住宅の一部分だけ機能を変更しても、間取り変更によって得たかった家事導線の完全な効率化は難しいので、広い範囲で工事をすることが多いようです。
工事期間
リフォームの場合
水回りの設備交換だけだったら1日~3日、長くても1週間で済む場合が多いです。
リノベーションの場合
リノベーションは解体工事が入ることが多いので、リフォームに比べると長くなりがちです。
70平米くらいのマンションをフルリノベーション(壁、床、天井、配管などすべて解体して1から作る)すると工事期間は2ヶ月ほどかかります。
工事中の音
リフォームの場合
設備の取り換えなどえあれば、解体する際の音や、取り付けの際の音程度で済むことがあります。期間が短いことが多いこともあり、近隣の方からクレームがはいることは少ないです。
リノベーションの場合
フルリノベーションだと、音が大きいだけでなく工事期間も長くなるので、左右上下階の近隣の方々にご迷惑をおかけすることになります。特に解体工事の音はすさまじく、クレームが入らないほうがおかしいくらいので、購入するお部屋の周辺にセンシティブな方や、日中ずっと自宅にいらっしゃる方がいる場合には要注意です。
工事する職人さんのレベル
リフォームの場合
工事内容がリノベーションに比べればある程度パターンが決まっていて、職人さんも経験値がたまりやすく工事ミスが少ないです。
リノベーションの場合
工事内容が案件ごとに違ってくるため、レベルの高い職人さんが求められます。
例えば、間取り変更によって、ドアを職人さんが作らないといけなくなった場合、同じ大きさで、同じ素材で、同じデザインの案件に当たることはほとんどありません。
それこそ、小学校の図画工作ではありませんが、職人さんが思考錯誤しながら作ってくれる場合も少なくありません。
工事内容の打ち合わせ
リフォームの場合
間取り変更を伴わない場合、「どういう素材を使って新しくするのか?」「新しく入れる設備はどれにするのか?」という検討とそれが実現可能か?というような打ち合わせになってくることがほとんどです。リフォーム希望者がすぐに決めてしまえれば、打ち合わせも1回で済むことや不要の場合もあります。
リノベーションの場合
リノベーションの場合はしっかりとした打ち合わせが必要となってきます。理想の暮らしはどのような暮らしで、それを実現するためにはどういうことが必要か?などコンセプトとなるようなものを決めていく作業が必要になってくるからです。
リノベーションの場合、間取り変更など自由度が高く、”やりたいこと”と”やるべきこと”が混じりがちです。
デザイナーとのコミュニケーションで失敗しない住まいつくりを
例えば、施主がウォークインクローゼットが欲しいと言ったとします。何も考えていないデザイナーだと、言われるままに図面に落とし込むかもしれません。ただ、ここで「どうしてウォークインクローゼットが欲しいと思ったのか?」という背景を聞いていくと全く違った提案が出てくることがあります。
デザイナー
「どうしてウォークインクローゼットが欲しいと思ったんですか?」
施主
「物が多いので、リノベーションする時は
ウォークインクローゼットを作ると決めていたんです」
デザイナー
「どういう物が多いのですか?」
施主
「主人のゴルフバックや、子供の部活動具、キャンプ用品などもあります」
デザイナー
「なるほど、ウォークインが欲しいというより、
きちんと収納できて使いやすくしまいやすいというのはどうです?」
施主
「いいと思います!ウォークインが欲しいわけではないので」
デザイナー
「でしたら、玄関を広くとり、そこにゴルフバックやキャンプ用品を
収納できるようにする。お子様の部活道具も玄関にロッカースペースを設けて、
それぞれで管理できるようにするのはどうでしょう?」
施主
「そういうのいいですね!!」
「何に課題を感じていて、どう解決することが理想的なのか?」設計者も一緒になって考えてくれるように価値観の共有なども重要です。
リフォーム済みの物件かリノベーションするかの違い
リフォームとリノベーションの違いには、”リフォームされた物件を購入してそのまま住む”と”物件を購入してリノベーションをする”という違いが潜んでいます。どのように違ってくるのかメリット・デメリット形式で見ていきましょう!
リフォーム済み物件を購入する場合
メリット
■出来上がりに納得して購入できる
完成したものがいいかどうかを自分で判断して購入検討できます
■購入後すぐに住み始めることができる
そもそも工事に入らないので、すぐに住み始めることができます
デメリット
■床下の配管などが古いまま
設備などは新しくなっているけど、キッチンにつながる給排水管などは数十年も前のものを使用している物件が多くみられます。そうなってくると、設備は取り換えなくてもいいけど、配管の寿命がやってきて、設備ごと床をはがして工事をしないといけなくなるかもしれません。長く住むには向いていない場合もあります。
■物件の価格に大幅なリフォーム費用がのせられていることもある
リフォームされた物件は当然、業者がリフォームした金額と利益が物件価格に上乗せされています。業者が売れるだろうと見込んだ物件の中には、リフォーム費用が300万円程度であっても、利益分を500~1000万円ものせている物件もあります。
ここまで取られるのであれば、時間はかかりますが、自分好みにリノベーションする方がお得に思えてしまいますね。
物件を購入してリノベーションをする
メリット
■間取りが自由
自由にできることがメリットというよりは、自分好みの過ごしやすい仕様にカスタマイズできる自由度が高いことがメリットになってきます。リビングの広さからコンセントの位置まで、ライフスタイルに合った設計ができることが魅力です。
■配管を取り換えられる
フルリノベーションの場合、配管もその時に新しいものにする人が多く、特に中古物件を購入した場合には長く住むために必要な工事になってきます。
デメリット
■イメージと違うものが出来上がることも
感覚が完全に一致する人間なんか存在しないので、出来上がりのイメージや「かっこいい」「おしゃれ」に定義が違うことにより、イメージ違いなことももちろんあります。
■解体してみないとわからない部分がある
解体してみたら、想定していたところからズレたところに排水ポイントがあり、トイレの位置が変更になった。お風呂を1つ小さいものに変更した。など、残されている図面や目視では確認できない部分に関しては、解体後にプランの修正や工事費用の見直しが発生する場合があります。”今あるものを活かして”という気持ちでリノベーションされることをおすすめします。
結局、私が求めているものはリフォーム?リノベーション?
違いを聞いただけでは「結局、自分たちがどちらに向いているのかわからない!」と思う人もいるかと思います。
それは、住まいつくりをする人の状況によって、リフォームがいいのか、リノベーションがいいのか、リフォーム済み物件がいいのかなど選択肢が変わってくるので無理もありません。ある人にとってはデメリットなことでも、ある人にとってはメリットになったりします。なにを基準に考えたらいいのかという軸くらいないと、議論の余地もなかったり。
そんな時は、自分たちの住まいについての考え方をプロに聞いてもらい、将来的にどうしていくのがベストなのか教えてもらうのが手っ取り早くておすすめです。
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